リソグラフ検証|遊休工場でたくさんの方々にご活用いただくために。(1/2)

本プロジェクトで導入を検討している「リソグラフ」について、より有効に活用していくため、以前からanalogとして交流を続けてきたアーティスト、カツマタ・ヒデユキさんをお招きし検証を行いました。



Hideyuki Katsumata 東京都出身、ひょうきん。

広義で日本的なArtist。 Intelligenceの対局に立ち、自身のおどけたcharacter HANAUTAH(はなうた)を相棒とした人間味ある俗世や、独自の世界観を漫画的奇天烈絵画に落とし込み、更には現代春画家として男女の誇張された性器や性交を描いたりする。


IG : hanautah

URL : hideyuk.com



※ 本プロジェクトは、遊休工場(交流スペースとして2022年4月より稼働予定)へのリソグラフ導入を目指し進行してきましたが、導入先の稼働開始が遅れております。稼働開始(時期未定)までは、analogでリソグラフをお使いいただくことができますので、ぜひご利用ください。



リソグラフとは?


リソグラフは、ガリ版などの孔版印刷の原理に理想科学独自の技術を融合させた高速デジタル印刷機。

印刷の元となる版(マスター)をつくり、内部の印刷ドラムに巻きつけ、紙を通して印刷を行うしくみです。


コピー機感覚で操作することができ、1度の通紙で1色または2色の印刷が可能です。

1つの原稿をスピーディー・低コストで多枚数印刷する用途に適しており、

チラシや教材の印刷で広く使われています。


(引用:リソグラフ公式サイト製品情報ページ https://www.riso.co.jp/product/risograph/feature/index.html)



つまり、


1. 原稿を読み取り、色をつけたい部分にだけ孔のあいた版をつくる(製版)。


2. インクのついたドラムの表面に版を巻きつける。


3. 回転するドラムに紙を押し当て印刷する(孔のあいた部分にだけ色をつける)。


印刷機ということです。



1度原稿を読み取り製版さえすれば、ドラムを回転させるだけで印刷できるため、

「スピーディー・低コストで多枚数印刷する用途に適して」いるわけです。


ちなみに今回検証したものは、ドラムを2つ搭載している2色印刷が可能な機種です。

1度印刷した後、色の違うドラムと入れ替え再度印刷することで、4色以上の印刷も可能になります。




検証1|adobe illustratorを使って印刷する


早さと安さが強みであるリソグラフを、アートの世界で活躍させることはできるのか。

検証の出発点となった問いを解明するため、まずは原画を忠実に複製することを目指しました。


1. 原画をスキャンし、adobe illustratorの色分解機能を使ってプロセスカラー(CMYKの4色)に分解し、各色ごとに出力可能なデータを作成する。


2. 2色分のデータをリソグラフに送って製版→ 印刷。

ドラムが2つ = 版が2枚あるため、1度の印刷でも版がずれることがあるため、ぴったり重なるように調整する。複数枚印刷する場合は、この時点で希望枚数プラスアルファを印刷。


3. 残りの2色もリソグラフに送って製版→印刷。

手順2同様に、ぴったり重なるよう調整したら、手順2で印刷した紙をセットし印刷する。

手順2の印刷色と手順3の印刷色が重なるよう調整し、本印刷をする。

比較検討のため、「網点」「誤差拡張」「強制ベタ」の3種の印刷設定で検証。



【原画1】


・網点



・誤差拡張



・強制ベタ




【原画2】



・網点



誤差拡張



・強制ベタ



いずれの原画を使ったものも、色味が違うのはリソグラフで使っているインクと、プロセスカラーのインクの色味の違いによるものです。


単純に印刷の濃さを見ると、網点< 誤差拡張< 強制ベタ、という感じでしょうか。

色の濃淡については、データ作成時に網点の線数や不透明度などの設定を変えることで調整することができます。


今回の検証では、Y版のみ濃い設定にすることで再現性を上げることができました。

データに使っている色の配分やリソグラフの個体差などにより、最適な設定は変わってくると思われます。


そのあたりは、テスト印刷をしながら調整していくのがベストでしょう。

再現性を求めず、あえて原画とは違った表現を目指して設定を調整するのも、おもしろいんではないでしょうか。




検証2|リソグラフのスキャン機能を使って印刷する。


検証1の方法は、adobe illustratorを持っている・使える必要があり、前提条件が厳しめでした。

誰もが使える方法を、ということで原稿(原画)さえあれば使える方法を探ってみました。



・原画1を、スキャンして赤青2色で印刷


リソグラフのスキャンには、オートとマニュアルの大きく2つの方法がありますが、フルカラー(4色分解可能)の原稿を、2色で表現するには、再現性という点で限界がありました。


もちろん、別物としてはコミックっぽくて味があるんですが、そもそもフルカラーで描き込む手間を考えると効率的ではありません。


検証3・4は、2色の原画(原稿)を使って、引き続きスキャン機能を使い誰もがリソグラフを楽しめる方法を探っていきます。